Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠11

中里 介山

Lisez 大菩薩峠11 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 368 567 caractères · 720 écrans

Aozora Bunko

とお浜は、相変らず着物をたたみながら、あの女特有の、すねるような、怨むような、口ぶりが生ける時のそのままです。

「暢気というわけでもないが、仕方がないからさ」

「でも、そうして尺八を吹いて、楽しんでいられるくらいですから、何よりですわ」

「うむ、そういえばそうかも知れない。ところで、お前はそこで何をしているのだ」

「はい、ごらんの通り着物をたたんでおりますが、いくらたたんでも、たたみきれません」

「そうか」

といって竜之助は、紗のような隔てのふすまから、そちらの座敷をじっと見ました。

紗のようだと思ったのが、いつのまにか御簾になっている。

その御簾越しにお浜を見ると、着物を畳んでいるというそのしぐさが、どうしても琴を弾じているようにしか見えない。

たけた姫君か何かが、相馬の古御所といったような中で、ひとり琴を弾じているような姿にしか見えないから、竜之助は、なんだか夢のうちに、自分の眼の前に錦絵を展開せられたように感じました。そうして、こちらを暢気だとあざけっている、そちらの方が風流至極だと、ひやかしてやりたいような荒涼さでありました。

着物をたたみながら、なお女がつづけて言いました。