Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠7
中里 介山
Lisez 大菩薩峠7 (だいぼさつとうげ) de 中里 介山 (なかざとかいざん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 242 044 caractères · 477 écrans
まず、その小風呂敷に目がつくと、紫縮緬のまだ巳の刻なのに、五七の桐が鮮かに染め抜いてあります。はて、物々しい、と福村はそれに目を奪われて、いま包もうとする草紙を覗いて見ると、上の一揃いは「常夏草紙」、下のは「薄雪物語」、どちらも馬琴物と見て取りました。
「さようなら」
代を払って、娘が店頭を去ると、
「毎度、御贔屓さまに有難う存じまする」
大切なお得意先と見えて、番頭は特別に丁寧に、この小娘のお使に頭を下げて送ったから、福村がはじめてこの娘を見直すと、
「お松どのではないか」
娘が振返って見て、
「まあ、福村様」
二人は鶴屋の店頭で、意外の邂逅に驚いた体です。
娘は申すまでもなく、本所の相生町の老女の邸のお松であって、この男を知っているのは、ずっと以前、神尾主膳の伝馬町の屋敷に仕えていた時分のことで、その時分から、この福村は神尾の屋敷へ出入りしていた道楽友達であります。
あの時分にはなんといっても、神尾は由緒ある旗本の株を失わなかったし、福村も今ほどくずれてはいなかったから、お松は主人筋のお友達に出逢った気持で、福村様といいました。ところが、今では軽業小屋の美人連からでさえも、福兄さんで通っている福村は、お松にかく慇懃に福村様と呼びかけられて、多少きまりの悪い形です。