Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

てんしゅかくのおと

天主閣の音

国枝 史郎

Lisez 天主閣の音 (てんしゅかくのおと) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 38 941 caractères · 79 écrans

Aozora Bunko

ところが宗春は然うで無かった。極わめて世故に通じていた。うかうか諫言など為ようものなら、反対にとっちめられて了うだろう。

徳川宗家からの附家老、成瀬隼人正をはじめとし、竹越山城守、渡辺飛騨守、石河東市正、志水甲斐守、歴々年功の家来もあったが、傍観するより仕方なかった。

それに諫言するにしても、これと云ってとっこに取るような眼に余る行跡も無いのであった。「素性も知れぬ香具師などを、お側へお近付けなされぬよう」「女歌舞伎の太夫などを、側室にお使いなされぬよう」――精々こんなようなことでも云って、諫言するより仕方なかった。だが三家の筆頭で六十二万石の大々名が、どんな妾を抱えようと、香具師のようなお伽衆を、大奥へ入れて酒宴しようと構わないと云えば夫れまでであった。

「ご微行をお控え遊ばすよう」こう諫言をした所で「今に始まったことでは無い」と、一蹴されれば夫れまでであった。

「怪しい香具師を近付けられ、何をご密談でございますな?」――まさか家来の身分として、此処まで立ち入って訊くことは、遠慮しなければならなかった。

傍観するより仕方がなかった。

しかし何うにも不安であった。