Classiques japonais avec furigana
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きめんじょうのひみつ
奇面城の秘密/夜光人間
江戸川 乱歩
Lisez 奇面城の秘密/夜光人間 (きめんじょうのひみつ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 150 254 caractères · 300 écrans
ただ見たのではわからない。こういうふうに、横のほうから、すかして見ないとわからない。あるかないかの、じつにかすかな、かすかなもようなのだ。ほらね……。」
杉本さんは、そういって、名刺をたいらにもって、小林君の目のそばへ近づけて見せるのでした。そういわれてみると、名刺の紙に、なんだかもやもやしたものが、見えるように思われました。
「ところがね、夜になって、暗いところで、この名刺を見ると、おどろいたね。銀色に、ちかちか光っているんだ。あの、もやもやしていた黄色っぽいものは、夜光塗料だったんだね。暗いところで見ると、それが、銀色の字になって、はっきり読めるんだよ。ほら、この暗いところで、見てごらんなさい。」
杉本さんは、そういって、名刺をテーブルの下の暗いところへ、いれて見せるのでした。
小林君は、テーブルの下へ、首をいれるようにして、それを見ましたが、すると名刺の表面には、青っぽい銀色の字が、いっぱいならんでいるではありませんか。そして、それは、つぎのような恐ろしい文章だったのです。
こんや十時に、きみの宝物をちょうだいにあがる。じゅうぶん用心したまえ。