Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
ああ狂……私のようなものが世の中に居るのは間違なんで御座いましょう……」
深く沍々とした彼女の黒瞳は自然と出て来る涙の為に輝いた。
その日、曾根は興奮した精神の状態にあった。どうかすると、悲哀の底から浮び上ったように笑って、男というものを嘲るような語気で話した。
お雪はこの仲間入に呼出されても、直に勝手の方へ行って、妹を相手に洗濯物を取込むやら、霧を吹いて畳むやらしていた。曾根が礼を述べて、別れて帰る時、お雪は炉辺で挨拶した。
「まあ、宜しいじゃ御座いませんか……もっと御緩なすったら奈何で御座います……」
と客を引留めるように言ったが、曾根は汽車の時間が来たからと断って、出た。三吉はお雪に言付けて、停車場まで見送らせることにした。
お雪が子供を背負いながら引返して来てみると、机の下に、「お雪さまへ、千代」とした土産が置いてあった。千代とは曾根の名だ。
「曾根さんは黙ってこういうことをして行く人だ」と三吉が笑った。
お雪はその紙に包んだ女持の子を眺めながら、「汽車が後れて、大分停車場で待ちましたよ――三十分の余も」
「何か話が出たかネ」と三吉は聞いてみた。