Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうぐん
将軍
Lisez 将軍 (しょうぐん) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 852 caractères · 31 écrans
中佐は思わず苦笑した。「余興掛も気が利かなすぎる。男女の相撲さえ禁じている将軍が、濡れ場を黙って見ている筈がない。」――そんな事を考えながら、叱声の起った席を見ると、将軍はまだ不機嫌そうに、余興掛の一等主計と、何か問答を重ねていた。
その時ふと中佐の耳は、口の悪い亜米利加の武官が、隣に坐った仏蘭西の武官へ、こう話しかける声を捉えた。
「将軍Nも楽じゃない。軍司令官兼検閲官だから、――」
やっと三幕目が始まったのは、それから十分の後だった。今度は木がはいっても、兵卒たちは拍手を送らなかった。
「可哀そうに。監視されながら、芝居を見ているようだ。」――穂積中佐は憐むように、ほとんど大きな話声も立てない、カアキイ服の群を見渡した。
三幕目の舞台は黒幕の前に、柳の木が二三本立ててあった。それはどこから伐って来たか、生々しい実際の葉柳だった。そこに警部らしい髯だらけの男が、年の若い巡査をいじめていた。穂積中佐は番附の上へ、不審そうに眼を落した。すると番附には「ピストル強盗清水定吉、大川端捕物の場」と書いてあった。
年の若い巡査は警部が去ると、大仰に天を仰ぎながら、長々と浩歎の独白を述べた。