Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しょうせつ えんちょう

小説 圓朝

正岡 容

Lisez 小説 圓朝 (しょうせつ えんちょう) de 正岡 容 (まさおかいるる) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 163 270 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

「このままではいかん、このままこの者にこうしたコツコツと身体を動かさずやる仕事をさせておいたなら間違いなく労咳になる。そうして死ぬ、現にこれこの通り労咳のトバ口、血を吐いていおる」

「……」

黙って玄正は目を伏せた。おすみの唇が烈しくワナワナ慄えていた、父親といっしょに。

「さりとて力業は尚いかん。いや、むずかしいのじゃ一番こういう質の子が」

しみじみと嘆息するように、

「早い話が己の身に付いた道を走らせてやれば仲々に長生きもするだろうが、そうでないところを歩かせたりすると気鬱からすぐ労咳になる。労症労咳、繰り返していうようじゃが、命取りじゃ。これは知っていなさるなよく」

またギロリと一同を睨み廻した。恐れ入ったように玄正が頭を下げた。いっしょにおすみ、圓太郎もお辞儀をした。

「と、いたしますとあの先生、この子、一体あのどういう道に進ませましたなら……」

ややあって恐る恐る顔を上げて玄正がこう訊ねた。

「これじゃ」

言下に節くれ立った手で桐庵先生は、己の咽喉仏のあたりを指した。

「と申しますと」

重ねて玄正が訊ねた。

「咽喉をつかう声をつかう商売じゃ。それもとりわけ派手なのがよい」