Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまへかえりゆくちち

山へ帰りゆく父

小川 未明

Lisez 山へ帰りゆく父 (やまへかえりゆくちち) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 7 875 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

」

いつまでも、いつまでも、この山の中の自分の家に、暮らそうものと思いました。そして、その憐れげな、小さな影を道の上に落としながら、一歩、一歩、登ってゆきました。

こうして、父親は、また、故郷の人となったのであります。

こんどは、息子が、毎日のように父親の身の上を心配しました。

「お父さんは、ほんとうに年をとられた。」と、彼は父親の姿を目に思い浮かべました。自分が子供のとき、父親の後からついて町へゆき、また山に帰ったときは、父親は、まだ若く、力が強く、達者であったのです。そう考えると、なぜ早く、この都へ越してこられないものかと案じていました。

「あのさびしい、不便な、田舎がなんでいいことがあろう。ぜひ、今年の中に、迎えにいってつれてこなければならない。」と、息子は毎日のように思っていました。

それに、秋から、冬にかけて、山の中は、風が寒く、吹雪がすさまじいのでありました。息子は、故郷にいた時分の記憶をけっして、忘れることができません。

「雪の積もる冬は、お父さんは、どうしてあんなところで暮らされよう。」

息子は、とうとうお父さんを、自分の住んでいるにぎやかな街へ迎えるために、久しぶりで故郷へ帰ったのであります。