Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lisez 山を思う (やまをおもう) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 79 814 caractères · 157 écrans

Aozora Bunko

即ち自動車がとまると、そこに玄関があり、その玄関のある、いわば母家と称すべき二階建が一軒、この母家の二階から渡り廊下で往来を越すと、崖の上に平家が一軒、平家だが崖の上にあるので二階だての位置になる。それから、往来をもう少し行くと、また大きな二階建が一軒ある。

長寿館の経営者は岡村氏という。越後の人で先代は有名な代議士だった。上越鉄道の計画をした程の人で、三国峠の北側には岡村家の「お助け小舎」というのがあったりする。冬、吹雪に悩む人のために建てた頑丈な小舎である。温泉はこの岡村氏の経営に移ってから、恐らく二軒の家を合併し、崖の上の平家を増築したのだろうが、とにかく三軒家がとりとめもなく建っているのが、間がぬけていて面白い。

玄関を上ると、右手に階段があり、左手は大きな台所。囲炉裡にドンドン火が燃えている。天井から並んで下っているランプに頭をぶつけながら階段を登り、太い樅の木を近く見て渡り廊下を越すと、恐らく長寿館では一番いゝ部屋が並んでいるのであろう所の、崖の上の平家に出る。

この平家の、一番とっつきの部屋に、Uと私とは通された。部屋のまん中の長火鉢に近く、どてらを着ていても暖かすぎはしない。