Classiques japonais avec furigana
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やまうらきよまろ
山浦清麿
吉川 英治
Lisez 山浦清麿 (やまうらきよまろ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 45 573 caractères · 91 écrans
四
を施し、真雄に取っても、愈、世に出る時が来たと、欣んでおるところじゃよ』
と、嘉兵衛はまるで、わが事のように、嬉しそうな顔なのだ。その顔つき通り、真雄の鍛った刀といえば、信仰的な自信を持って、斬れる、折れない、曲がらぬと、彼は、人にも広言して憚らなかった。それほど熱心な後援者であった。
四
――だが、嘉兵衛は、貧しい侍である。金や顔を以て、後援はできなかった。
ただ努めて、真雄の人物と作刀を、重臣たちの間へ推賞したり又、真雄自身へは倦まざる精進を、鞭撻して来ただけだった。
ところが。
松代藩では、それより数年前に、家老の矢沢監物の周旋で、初代水心子正秀の直門、荘司箕兵衛直胤を、かなり高禄で、招聘していた。
人情は、当然、双方を、比較する。
(何つ方がよいとも云えんなあ)
と、いう評が、密かにあった。
(いや、むしろ真雄のほうが、出来はむらだが、良い刀があるぞ)
そんな観方をする者もあった。
そこへ、近頃、
(直胤の刀が折れた。――どうも直胤の刀は、折れ易い)
と、いう噂がぱっと立った。
事実、川中島の辺で、若侍同志の喧嘩があった時、一方の持っていた直胤の刀が、折れた事件もあったのである。