Classiques japonais avec furigana
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ゆうれいせんのひみつ
幽霊船の秘密
海野 十三
Lisez 幽霊船の秘密 (ゆうれいせんのひみつ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 846 caractères · 62 écrans
「おい、手の空いている者は、水をかい出せ。ぐずぐずしているとボートはひっくりかえるぞ」
船長はぬかりなく命令をくだした。
生か死か。ボートの乗組員は、いまや全身の力を傾けて風浪と闘うのであった。
死んだような洋上
乗組員の死闘は、夜明までつづいた。
さすがの風浪も、乗組員のねばりづよさに敬意を表したものか、東の空が白むとともに、だんだんと勢いをよわめていった。そして夜が明けはなたれた頃には、風も浪も、まるで嘘のように穏やかにおさまっていた。
「おう、助かったぞ」
乗組員は、安心の色をうかべると、そのままごろりと横になった。俄かに睡魔がやってきた。みんな死んだようになって、睡眠をむさぼる。
船長も、いつの間にか深い睡りにおちていた。が、彼は一時間もするとぱっと眼をさました。
「やっ、不覚にも睡ってしまった。こいつはいけない」
船長は眼をこすりながら、艇内を見まわした。誰も彼も死人のような顔をしている。
空は、うすぐもりだ。まだ天候回復とまではゆかない。だから油断は禁物である。
「そうだ。他のボートはどうしたろう」
船長は、眼をぱちぱちさせながら、洋上をぐるっと見わたした。