Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こころのアンテナ

心のアンテナ

佐々木 邦

Lisez 心のアンテナ (こころのアンテナ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 973 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

芸人と芸術家

要するに内弟子として申分ない。しかし何よりも大切な芸の方は未だ初心だから、前途茫漠としている。

「銀さんの声、時々鶏が締め殺されるようになるわね」

と美代子さんは遠慮がない。

「張り上げると、かすれるんです。変でしょう?」

「でも、初めの中は皆然うよ。性は好い方ですって」

「師匠が仰有るんですか?」

「母よ。家は母の方がよく分るんですって」

「声は親譲りで何うも悪いようです」

「悪いんじゃなくて、まだ本当の声が出ないんですって」

「然うかも知れません」

「私、義太夫なんか面白いと思いませんわ」

「何故ですか?」

「古いわ。新人のやることじゃないわ」

「いや、新人が出れば、古い義太夫も新しくなります」

「それじゃあなた新人?」

「その積りです」

芸人と芸術家

内弟子に住み込んでから丁度一年たった頃、銀二郎君は偶然新人振りを発揮して、美代子さんと奥さんに多大の感銘を与えた。これが切っかけになって、師匠鐘太夫が新しい意識に目覚めた。鐘さんは言うことが違う。同業中のインテリだ、という評判と共に人気が立って、売れっ子になった。その為め洋行までしたが、先ず事の起りから書く。

或日、美代子さんが学校から帰って、浮かない顔をしていた。