Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いかりのむし

怒りの虫

豊島 与志雄

Lisez 怒りの虫 (いかりのむし) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 457 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

あなたの方こそ、きっとどこかお悪いんですよ。寝汗をおかきなすったり、頭から汗をお出しなすったり……。」

木山はいやな顔をして口を噤んだ。何度も繰り返されたことだったのである。木山が医者にかかるなら、自分も医者にかかる、さもなければ……と八重子は主張した。主張というほど強いものではなかったが、繰り返されると、なにか頑迷なものに感ぜられた。そしてそのつど、寝汗だの頭の汗だのが持ち出されるのである。

「ほんとに、医者におみせなすったら……。」

木山は腹が立ってきた。

「それより、胃袋の中のごっとんごっとんの方が先だろう。僕も、動悸がどっきんどっきんしたら、医者にみせるよ。」

言ってしまってから、木山はますます不快になった。実際、脈搏が早くなっていたのである。白髪染めの八重子の髪の臭いが、気のせいか鼻についてきた。

彼はいい加減に酒を切り上げて、外出の仕度を始めた。

そこへ、事務所から、というより地方新聞の出張所から、電話がかかってきた。

その地方の神社の一つに、みごとな松並木を持ってるのがあった。その松のうち、二本ほど、昨年から枯れかかっていた。県の技手の調査によると、松食虫の害らしいとのことで、伐採の議が起ったが、古老たちの反対で、まあもう暫く様子を見てみようということになっていた。