Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
Lisez 恐怖王 (きょうふおう) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 66 038 caractères · 133 écrans
「多分僕等の探している人です」
云うなり、蘭堂はピアノの下部の塗り板のネジを廻して、何なくそれを開いた。
「アッ、京子さん、しっかりなさい」
ピアノの胴の中に、さも窮屈らしく、妙な恰好で、京子が押し込められていた。ピアノの弦の震動が失神していた彼女の神経を呼びさまし、苦痛の細いうめき声を発した。それがあの異様な笛の音となって外部に漏れたのだ。蘭堂は愛人のグッタリした身体を抱き取って、絨氈の上に横にした。
伯爵夫妻は、駈け寄って、令嬢の上にかがみ込んで、頻りにその名を呼んだ。
「アア、気がついた様だ。大江さん、京子が目をあきました」
殺されたとばかり思っていた京子が、兎も角も無事でいたのだ。両親の狂喜も無理ではない。
見るとやっぱり右手をやられている。仕合せなことには、賊が血の垂れるのを防ぐ為に、傷口を固く縛って置いてくれたので、出血も左程でなく、漸く一命をとりとめたのだ。
「オヤ、左の手にこんなものを握っていますよ。アア、あの男が持って来た手紙だ。大江さん見て下さい」
伯爵がそれを取って差出すのを、蘭堂が開封して読下した。
この手紙持参の男は僕の友人です。