Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あくのはなたば

悪の花束

久生 十蘭

Lisez 悪の花束 (あくのはなたば) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 888 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

モニエ夫人は、こんどのレーノォの婚約は、持参金が目的であることを知っていたので、友情からか、恋情からか、レーノォの経済の後見をして、心にもない結婚を破棄させたいと思い、その道の練達である友人の指示を受けながら、モニエ氏には内緒で、ブゥクレの店で大胆な投機を試みていたのである。

十二月の中旬まで、大体、過不足なしの成績を保っていたが、事件の三日前、つまり、十八日の朝、あるところから確実なニュースを聞きこんだので、ウェストファリアの礦山株を放して、印度の綿花株を手一杯に買付けるようにと、ブゥクレは電話で依頼しておいた。

二十一日の朝、礦山株が暴落して、綿花株が暴騰した。この一日で、夫人の財産は二倍以上になり、自分のものを別にして、猶、百万フランに近いものを、レーノォに融通できることになった。

夫人は午前中、上機嫌ではしゃぎまわり、午後二時に家を出て、地下鉄で取引所へ行こうとする途中、偶然、ブゥクレとピロンが同じ車へ乗ってきた。夫人は、

「大勝利ね。お骨折でした」

と握手を求めたが、二人は汗をかいて後に退った。夫人の依頼があったにもかかわらず、ブゥクレとピロンは、自分らだけの思惑をやって、礦山株をしっかりと握っていたばかりに、千載一遇の綿花の上潮に乗りそこない、持株の大暴落で、元も子もなくしてしまったのである