Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

われにそむく

我に叛く

宮本 百合子

Lisez 我に叛く (われにそむく) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 414 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

「…………」

ゆき子は、今更ながら母の真木に対する隔意を感じずにはいられなかった。彼女が自分の為を思い、仕事の纏まらないのを心から憂いていてくれることは疑もないのだ。けれども、その気持を言葉に出して云おうとすると、或は、総括した考えとしての筋をたてるとなると、彼女は、先ず真木という名に当って行かずにはいられないのだ。ゆき子は、母の衷心は明に察せられた。然し、真木に無節操な批評が加えられるとなると、ついに我慢がならなかった。彼女は、殆ど本能的な抗弁の衝動に駆られるのである。麗らかな庭の春景色に比べては、余り凄じい暫くの沈黙の後、ゆき子は、辛うじてこれだけを云った。

「おかあさまが、私を愛し、心配して下さるのは、ほんとに有難く思いますわ、ほんとに! だけれども、その気分の反動でだけ、真木を批評しては戴きたくないわ。私も何か云わずにはいられなくなるんですもの。それは、真木は偉大な人格者でもないし、素晴らしい天才でもないけれども、少くとも、自分の愛する者に対しての真心位は持っている人です」

「――お前は、そう思っているのさ」

「――夢中になっているとおっしゃるかもしれないけれども、とにかく、私は、おかあさまよりは真木がどういう人間だか知っていることだけは信じますわ」