Classiques japonais avec furigana
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たんていしょうせつのなぞ
探偵小説の「謎」
江戸川 乱歩
Lisez 探偵小説の「謎」 (たんていしょうせつのなぞ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 119 820 caractères · 235 écrans
これは実はその息子のひとり芝居で、書斎にあった貴金属品をハンカチに包んで、窓から池をめがけて投げこみ、盗難をまことらしくしておいて、ピストルで自分自身の足を撃ったのである。これだけ書いても、その息子がなぜ自分の足を撃たなければならなかったか、おわかりにならないでしょう。あることに気がつくまではわからない。それは徴兵忌避という動機であった。父は将軍だからウッカリしたまねはできない。そこで泥棒に撃たれたと見せかけて、びっこになり、徴兵をまぬがれる名案を思いついたというわけ。すなわち被害者が犯人と同一人物である。これも枝葉をつけて逆に書くと、ちょっと面白い謎物語になる。
次に「殺人」の場合。殺した者と殺された者と同一人というトリックである。そんなことは全く不可能だと感じられるけれども、不可能を可能にするのが探偵小説のコツだから、ちょっとしたキッカケさえあれば、いろいろと名案が浮かんでくる。この場合のキッカケは、「自殺」という着想である。「自殺」は殺すものと殺されるものと同一人なのだから、そこから何かを引っぱり出せばよいのである。
不治の病にかかって、医師から死期を宣告されているような人物が、誰かを非常に恨んでいて、どうせ近く死ぬいのちを、早く捨てても復讐がしたいというような場合に、うまくあてはまる。