Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうろうき(しょしゅつ)

放浪記(初出)

林 芙美子

Lisez 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 349 caractères · 207 écrans

Aozora Bunko

「当分二人でみっしり働こうね。ほんとに元気を出して……。」

「雑色のお母さんのところへは参拾円も送ればいゝんだから。」

「私も少し位は原稿料がはいるんだから、沈黙って働けばいゝのね。」

雪の音かしら、窓に何かサヽヽヽと当っている。

「シクラメンって厭な匂いだ。」

時ちゃんは、枕元の紅いシクラメンの鉢をそっと押しやると、簪も櫛も抜いて、「さあ寝んねおしよ。」

暗い部屋の中で、花の匂いだけが、強く私達をなやませた。

一月×日

積る淡雪積ると見れば

消えてあとなき儚なさよ

柳なよかに揺れぬれど

春は心のかはたれに……

時ちゃんの唄声でふっと目を覚ますと、枕元に、白い素足が並んでいた。

「もう起きたの……。」

「雪が降ってるよ。」

起きると、湯もたぎって、窓外の板の上で、御飯もグツグツ白く吹きこぼれていた。

「炭もう来たの……。」

「下の叔母さんに借りたのよ。」

いつも台所をした事のない時ちゃんが、珍らしそうに、茶碗をふいていた。

久し振りに、猫の額程の茶ブ台の上で、幾年にもない長閑なお茶を呑む。

「やまと舘の人達や、当分誰にもところを知らさないでおきましょうね。」

時ちゃんはコックリをして、小さな火鉢に手をかざす。