Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
Lisez 放浪記(初出) (ほうろうき(しょしゅつ)) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 103 349 caractères · 207 écrans
お計さんは子供の病気で昨夜千葉へ帰ってしまった。
真実に、学生や定食の客ばかりでは、どうする事も出来なかった。
止めたい止めたいと俊ちゃんと二人でひそひそ語りあっていたものゝ、みすみす忙がしい昼間の学生連と、少い女給の事を思うと、やっぱり弱気の二人は我慢しなければならなかった。
金が這入らなくて道楽にこんな仕事も出来ない私達は、逃走するより外なかった。
朝の誰もいない広々とした食堂の中は恐ろしく深閑として、食堂のセメントの池に、赤い金魚がピチピチはねている丈で、灰色に汚れた空気がよどんでいた。
路地口の窓を開けて、俊ちゃんは男のようにピョイと飛び降りると、湯殿の高窓から降した信玄袋を取りに行った。
私は二三冊の本と化粧道具を包んだ小さな包みきりだった。
「まあこんなにあるの……。」
俊ちゃんはお上りさんのような格好で、蛇の目の傘と空色のパラソル、それに樽のような信玄袋を持って、まるで切実な一つの漫画だった。
小川町の停留所で四五台の電車を待ったが、登校時間だったのか来る電車は学生で満員だった。
往来の人に笑われながら、朝のすがすがしい光りをあびていると顔も洗わない昨夜からの私達は、インバイのようにも見えたろう。