Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃよう
斜陽
Lisez 斜陽 (しゃよう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 822 caractères · 176 écrans
うまいも、まずいもありゃしません」
と、のんきそうに世間話をつづけていらっしゃる。お母さまも、何気ない表情で天井を見ながら、そのお話を聞いていらっしゃる。なんでも無かったんだ、と私は、ほっとした。
「いかがでございました? この村の先生は、胸の左のほうに浸潤があるとかおっしゃっていましたけど?」
と私も急に元気が出て、三宅さまにおたずねしたら、老先生は、事もなげに、
「なに、大丈夫だ」
と軽くおっしゃる。
「まあ、よかったわね、お母さま」
と私は心から微笑して、お母さまに呼びかけ、
「大丈夫なんですって」
その時、三宅さまは籐椅子から、つと立ち上って支那間のほうへいらっしゃった。何か私に用事がありげに見えたので、私はそっとその後を追った。
老先生は支那間の壁掛の蔭に行って立ちどまって、
「バリバリ音が聞えているぞ」
とおっしゃった。
「浸潤では、ございませんの?」
「違う」
「気管支カタルでは?」
私は、もはや涙ぐんでおたずねした。
「違う」
結核! 私はそれだと思いたくなかった。肺炎や浸潤や気管支カタルだったら、必ず私の力でなおしてあげる。けれども、結核だったら、ああ、もうだめかも知れない。