Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃよう
斜陽
Lisez 斜陽 (しゃよう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 822 caractères · 176 écrans
私は、声を挙げて泣きたくなった。こんな手は、お母さまの手じゃない。よそのおばさんの手だ。私のお母さまのお手は、もっとほそくて小さいお手だ。私のよく知っている手。優しい手。可愛い手。あの手は、永遠に、消えてしまったのだろうか。左の手は、まだそんなに腫れていなかったけれども、とにかく傷ましく、見ている事が出来なくて、私は眼をそらし、床の間の花籠をにらんでいた。
涙が出そうで、たまらなくなって、つと立って食堂へ行ったら、直治がひとりで、半熟卵をたべていた。たまに伊豆のこの家にいる事があっても、夜はきまってお咲さんのところへ行って焼酎を飲み、朝は不機嫌な顔で、ごはんは食べずに半熟の卵を四つか五つ食べるだけで、それからまた二階へ行って、寝たり起きたりなのである。
「お母さまの手が腫れて」
と直治に話しかけ、うつむいた。言葉をつづける事が出来ず、私は、うつむいたまま、肩で泣いた。
直治は黙っていた。
私は顔を挙げて、
「もう、だめなの。あなた、気が附かなかった? あんなに腫れたら、もう、駄目なの」
と、テーブルの端を掴んで言った。
直治も、暗い顔になって、
「近いぞ、そりゃ。