Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しゃよう
斜陽
Lisez 斜陽 (しゃよう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 822 caractères · 176 écrans
「夢を見たの」
とおっしゃった。
「そう? どんな夢?」
「蛇の夢」
私は、ぎょっとした。
「お縁側の沓脱石の上に、赤い縞のある女の蛇が、いるでしょう。見てごらん」
私はからだの寒くなるような気持で、つと立ってお縁側に出て、ガラス戸越しに、見ると、沓脱石の上に蛇が、秋の陽を浴びて長くのびていた。私は、くらくらと目まいした。
私はお前を知っている。お前はあの時から見ると、すこし大きくなって老けているけど、でも、私のために卵を焼かれたあの女蛇なのね。お前の復讐は、もう私よく思い知ったから、あちらへお行き。さっさと、向うへ行ってお呉れ。
と心の中で念じて、その蛇を見つめていたが、いっかな蛇は、動こうとしなかった。私はなぜだか、看護婦さんに、その蛇を見られたくなかった。トンと強く足踏みして、
「いませんわ、お母さま。夢なんて、あてになりませんわよ」
とわざと必要以上の大声で言って、ちらと沓脱石のほうを見ると、蛇は、やっと、からだを動かし、だらだらと石から垂れ落ちて行った。
もうだめだ。だめなのだと、その蛇を見て、あきらめが、はじめて私の心の底に湧いて出た。お父上のお亡くなりになる時にも、枕もとに黒い小さい蛇がいたというし、またあの時に、お庭の木という木に蛇がからみついていたのを、私は見た。