Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しゃよう

斜陽

太宰 治

Lisez 斜陽 (しゃよう) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 89 822 caractères · 176 écrans

Aozora Bunko

、とてもそんな事では消えそうもなかった。

「火事だ。火事だ。お別荘が火事だ」

という声が下のほうから聞えて、たちまち四五人の村の人たちが、垣根をこわして、飛び込んでいらした。そうして、垣根の下の、用水の水を、リレー式にバケツで運んで、二、三分のあいだに消しとめて下さった。もう少しで、お風呂場の屋根に燃え移ろうとするところであった。

よかった、と思ったとたんに、私はこの火事の原因に気づいてぎょっとした。本当に、私はその時はじめて、この火事騒ぎは、私が夕方、お風呂のかまどの燃え残りの薪を、かまどから引き出して消したつもりで、薪の山の傍に置いた事から起ったのだ、という事に気づいたのだ。そう気づいて、泣き出したくなって立ちつくしていたら、前のお家の西山さんのお嫁さんが垣根の外で、お風呂場が丸焼けだよ、かまどの火の不始末だよ、と声高に話すのが聞えた。

村長の藤田さん、二宮巡査、警防団長の大内さんなどが、やって来られて、藤田さんは、いつものお優しい笑顔で、

「おどろいたでしょう。どうしたのですか?」

とおたずねになる。

「私が、いけなかったのです。消したつもりの薪を、……」