Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

三日三晩、一睡もせず働き通した職人や人足たちは、掃き寄せられた芋虫のように、前後不覚にそこらに眠っていた。棟梁どもまでが、共に必死に働いたとみえ、縄帯やら縄襷をかけ、泥まみれの手足を大地へ抛り出して、工事がすむと同時に、そこで寝ていた。

信長は、その光景を遠くから目撃した。同時に彼は、藤吉郎という男の才分に、今まであることを知らなかった点を新たに発見していた。

(猿めは、よく人を使う)

と、密かに驚嘆したのであった。そして、

(心なき日傭どもをさえ、死ぬほど懸命に働かせ得る器量があるところを見れば、訓練ある兵どもを使わせたなら、一かどの采配は取れるだろう。戦へ遣って、百人や二百人は預けても、まず間違いはないな)

と、観たのである。

呉子の兵書にある一章を、信長はふと思い出していた。それは、

オヨソ戦ニ勝ツハ

ソノ極理

兵ヲシテ欣ンデ

死ナシムルニ有

と、いう語だった。

信長は胸の中でくり返してみたが、自分にはまだそれだけの器量があるかないか疑わしかった。――それは、戦略や戦術や権力ではないからである。

「お早いお眼ざめでござりまするな。御城壁、かように致し置きました」