Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 190 406 caractères · 381 écrans

Aozora Bunko

鳴海変

「若気だ! ……。斬った後ですぐそう思ったが、間にあわぬ。性分というものは、抑えていても、無意識に出てしまう。――いや愚痴はよそう。おさらば」

「もう行くのか」

「猿、……寧子をたのむよ。やはりわしには縁がなかった。……可愛がってやってくれよ」

×      ×      ×

その頃――

清洲の城下から鳴海街道のほうへ向って、一頭の悍馬が、闇を衝いて駈けていた。重傷を負ったまま、山淵右近は、その鞍の上にしがみついていた。

鳴海変

鳴海まで、八、九里はあろう。右近を乗せた駒はよく駈けた。

夜なので、人目もなかったが、昼だったら、駒の駈けた後に、滴々と血のこぼれを往来の人は見たであろう。

右近の傷口は、かなり深傷であった。ただ致命を外れてはいた。しかし彼は、

「鳴海城までは――」

と、駒の脚と、わが生命の終りと、どっちが早いかを、夢中に怖れ通しながら、鬣にしがみついていた。

清洲の城内で、前田犬千代にふいに斬りつけられた時、犬千代が、

――奸賊ッ!

と、呶鳴って自分へ飛びかかって来たように覚えている。その奸賊といわれた刹那の声が、彼の頭のしんに、釘を打ちこまれたように消えなかった。