Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

「それでのうても、あの子の早い出世に、中村の猿がとか、水呑み百姓の伜がとか、そねみの多い中にある藤吉郎じゃ。むくつけき百姓婆が、お城の奥で、畑打ちなどしていたら、あの子の家来達も、主人を軽んじ、ひいては藤吉郎も辛かろう……」

「いえもし、お母あ様。それは取り越し苦労と申すものでござります。見えを飾り、人の聞えを気にする性の人なら知らぬこと、良人は、そんな毀誉褒貶に心を左右されるお方ではありません。――従って、良人に付いている家来衆とても」

「そうかの……。こんな姿が、一城の主の母ぞと臨んでも、あの子の顔には障るまいか」

「そんな小さい人物の良人ではございません」

寧子のことばが、余りきっぱりしていたので、老母は驚きの眼をみはり、やがて、その眼から、滂沱として、欣し涙をこぼしてしまった。

「すまぬこというたの。寧子よ、ゆるして下されや」

「さあ、お母あ様、陽も暮れますゆえ、手足などお洗ぎ遊ばして」

寧子は、二つの重い籠を、両手にさげて、先へ歩いた。

夕方の清掃にかかる。召使と共に、寧子も箒を持つ、雑巾をかける。殊に、老母の部屋の一切は、努めて、彼女の手で何もかもするようにしていた。