Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 353 caractères · 371 écrans

Aozora Bunko

尾張勢は、一たまりもなく、大敗の憂き目を見てしまった。築城中の洲股の陣地と、何百という戦死者とを捨てて、ほとんど、命からがらの態で、清洲へ退いて来たものであった。

洪水に溺れ死んだり、或いは、敵の手に討たれた者など、総数九百余名の犠牲者が数えられ、そのほか、五千の人夫は、その半分の数も、生死不明で、清洲へも帰って来ないのが多かった。

「自然の力には勝てぬ」

信盛は、近親の者に、そう嘆声を洩らしたが、信長への報告を終ると、責めを待つ気で、謹慎していた。

信長は、しかし、信盛の大敗を咎めなかった。不可抗力であるとして、

「勝家。代れ」

と、即日、柴田勝家を総軍の奉行として、再出発させた。

だが、その勝家も、やがてまた、美濃の奇襲と、雨さえ降れば出る水に苦しめられて、何の効も挙げずに帰って来た。

「無理だ。――そもそもが無謀な計画というものだ。誰が采配をとったところで、あんな地の理の悪い、しかも、敵国の眼と鼻の先へ、城を築くなんていう無法が仕遂げられるものではない。美濃の斎藤に人間がいないならまた、別問題だが」

勝家がいわせなくても、生きて帰って来た者はみな、口を合わせて築城の至難を云い、連日の苦戦を訴え、そのことの無謀を非難した。