Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 320 caractères · 398 écrans
お身様の方に、そう猜疑せらるるべつな理由が」
「思い当るのは、私が、鈴木重行のことを、上様へ御忠告したことがあるだけです。かの本願寺の謀将鈴木重行の始末について……」
「その重行が、本願寺散亡の後、どうしたというのでござる?」
「あなたも御承知ないか。大坂石山の没落とともに、姿をかくしていた鈴木重行は、いつのまにか名を変えて、丹波亀山の城中に客臣となっていたのです。――十二年の久しきあいだ、織田家を悩ませた本願寺の黒幕の謀将を、おゆるしも仰がず、匿うなどという行為は、明らかなる叛意と申されても仕方がないではございませぬか。かりにあなたが、信長公であった場合、それを知ってもなお光秀どのを、重臣として、快く、迎えておられますか」
こういう時、秀吉の面は、すこぶる微妙なものを湛える。
熱心に聞き入る色もあらわして来ないし、といって、相手の訴える気もちをへし曲げて、うわの空に外らしているという顔でもない。
「ふむ。ふむ。なるほど」
いずれともつかない頷きを見せてはいるが、彼自身の意志は、そのあいだ縹渺として、天外に遊んでいるのかもしれない。
正直なところは、余りこういう話題には触れたくないとするのだろう。