Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

人馬三千の列が、下加茂の河原まで来て立ち淀んだとき、人々は期せずして、うしろを振り向いた。光秀も振り顧った。

眼のまえの加茂川に映え耀いた紅波を見て、後ろなる三十六峰の背から朝陽が昇ったのを知ったからである。

「朝のおしたくは河原で遊ばしますか、西陣へ行っておしたためなされますか」

兵糧方の部将が、光忠の側へ来て、朝食のことをたずねていた。光忠は光秀の内意を訊くため少し駒を寄せかけたが、そのとき四方田政孝と光秀が駒をならべて、いま通って来た白河の方を凝視している容子だったため、しばらく此方にさしひかえていた。

「政孝。あれは又兵衛ではないか」

「そのようでございますな」

光秀と政孝のひとみは、彼方から急いで来る一騎を待っているものらしく、朝霧を衝いて、その影が近づいて来ると、

「おお、やはり又兵衛であった」

と、光秀は心待ちにしていた彼をそのままそこに待ちながら、左右の将に向って、

「さきへ渡れ。わしは一足あとから河をこえる」

と、云った。

前隊の列はもう一部分加茂の浅瀬をひろって、対岸へ渡っていた。諸将は光秀のそばを去ると、つづいて清冽の中へ白い水泡のすじを作って、続々、徒渉して行った。