Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

白河越え

しかし曲直瀬道三は、自身がいおうとすることを、決して途中で云い濁すようなことはなかった。そうした光秀のひとみや気色を覚りながらも、なお話をつづけて、切言した。

「あなたにお会いしたときから気にかかったのは、あなたの皮膚の相色であった。何を憂い、何を恐れておらるるか。――しかもお眼は怒脈をひそめ、匹夫のごとき怒りと、婦人のような涙とを、一眼のうちにたたえておられる。――夜、手足の爪まで凍えるような冷えをお覚えなさらぬか。しかも耳は鳴り、唾液は渇き、口中に棘を咬むようなお心地はあらせられぬか」

「まま眠りかねる夜もありましたが、昨夜はよく寝みました。何くれとなくお心づけ、辱うござった。出陣の後も、何か薬餌を摂りましょう」

と、光秀はこれを機に、左馬介や源右衛門を顧みて、参ろうかと道を促しながら、また、

「そのうちに改めて使いをつかわしますゆえ、何ぞ、持薬をお授けください。いや、途上まことに失礼いたした」

と、のがれるように先へ別れて行った。

白河越え

この日、明智の家中進士作左衛門は、一小隊の従者をつれて、遅れ走せに、安土から坂本城へ引き揚げて来た。

主人光秀の退去が、事遽かであったため、あとに残って、残務の整理や邸の始末をすまして来たものである。