Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

「霧の小路はうす暗い。抜け駈けせんと、町辻を踏みたがえるな。――本能寺の森は、さいかちの木が目印ぞ。その大竹藪を、雲のすきに目あてとせよ。あれだ。あれこそ、本能寺のさいかちの木」

と、この朝をもって老いの武者声の一期と誓っているもののように、馬上、天をつくばかり指揮の手を振っていた。

べつに明智光忠の率いる第二軍と称するものの行動がある。これは三条筋へあふれて、煙のごとく辻々をよぎり、二条妙覚寺へさして包囲形を作りながら取り詰めた。いうまでもなくそこに宿泊している信長の長子信忠を、本能寺方面と、ときを同じゅうして、討ち果すためである。

ここと本能寺との距離はいくらもない。すでにその頃、暁闇をへだてて、本能寺方面の空には何とも形容し難い物音が揚りはじめていた。いんいんと吹き鳴らす陣貝の音や鉦鼓のとどろきも聞えた。それは、天を震い地を揺るがすといっても、決して誇張ではないほど、この世の相をただならぬものにした。およそこの朝、洛内の全市民は、寝耳に水をあびて刎ね起きたか、家の者に絶叫されて、飛び起きなかった者もあるまい。

禁裡の諸門をめぐる公家たちの、常にはひっそりしている第宅の地域ですら、忽ちさまざまな物音や人声が騒然と起った。