Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 200 903 caractères · 400 écrans

Aozora Bunko

道三は拒んだ。

門外にもまだいるらしいが、居あわせた十数名の武者は、彼のまわりを取り巻いていた。

「なに。渡さぬと」

まわりを囲んでいる者の具足や太刀は音をさせてひしめいた。

が、曲直瀬道三は、部将の山部主税の面を見ているのみで、その眸もうごかさなかった。

「渡すの、渡さないの……というのは、少しおかしかろう。ここにいる多くの傷負いは、たとえ織田衆であろうと、明智衆であろうと、いずれは皆、主人のためと、さむらいの名にかけて、よく戦って怪我した衆である。品物ではない。物とは違う。――ひとつひとつ尊いいのちじゃ。わしはそれを治療する医家であるから、わしの門に入れた以上は、健康にしてあげぬうちは出すことはできない」

「この戦時、しかも敵の残党を詮議しておる此方にたいして、御辺のいっていることは、まるで平時の医者の言だ。いまはそんなことに耳をかしているいとまはない。織田の傷負いはのこらず引っ立ててまいるからご承知ねがいたい」

「そんな承知はできません」

「なぜ」

と、ついに山部主税もその顔に殺伐な気をあらわした。

道三は却って微笑をふくんで、諭すようにそのいきりたつ相手をなだめた。