Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 187 757 caractères · 375 écrans

Aozora Bunko

「こうしている間も機会は刻々逸しつつあるやも知れぬ」

「焦心るまい、玄蕃」

「いや、御熟考も時にこそよれ。かほどの勝目を見ながら、なお御決断がつきかねるとは、ああ、鬼柴田殿も老いられたとみゆる」

「たわけを申せ。その方こそ未だ青いというものじゃ。戦闘には剛であろうが、戦略にはまだ青い青い」

「な、なぜですか」

玄蕃允は色をなしかけたが、さすがに勝家は激さない。百戦の老巧らしい落着きを失わずに訓えた。

「玄蕃思うてみい。およそ中入り(兵家ノ熟語、敵中核ニ深ク入ッテ撃ツヲイウ)ほど危うき戦法はないのじゃぞ。……左様な危険を冒してまで、取るべき策か、どうか。ここは悔いなき思慮を、練りに練ってみねばなるまいがな」

聞くと、玄蕃允は、大いに笑った。

――乞う、安んぜよ。

玄蕃允の笑い方は、そういうものだった。無用な御心配を――と仄めかす裏に、若い鉄の意志が、老齢の分別と逡巡を嘲うものも含めていた。

――が、勝家は、この甥のあけすけな嘲笑にたいして、

(何を笑う?)

と咎める色もなかった。むしろこういう無遠慮までが“愛すべき奴”という感情に変るらしいのである。そしてその意気の旺なるを、ひそかに愛でている風すらある。