Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
手の鉄砲を立てて持ったなりに――である。
天蔵はとたんに、叔父の眸から自分を射て来た或るものを直覚して、はっとしたが、もう遅かった。
叔父の腹心たちは、碁石のように、四方に立って、囲みの形を取っていた。――天蔵の顔は見ているまに、蒼くなった。
「…………」
「…………」
小六の体から、目に見えない憤りの炎が立っている。日頃、狎れやすい天蔵にも、その眉は、むだ口ひとついわせなかった。
「天蔵ッ」
「は。……」
「おぬし、小六が日頃、いってある言葉を、よも忘れはしまいな」
「覚えております」
「人と生れてだ――今の世の乱国に生れてだ――最も恥ずべきことは徒衣徒食と良民いじめだ」
「…………」
「諸国の土豪という輩が、みなそれなのだ。野武士という奴が、みなその類だ。――だが、小六正勝の一家は、それではならぬぞ。……と堅く、戒めてあるはずだが」
「はい」
「おれの身内だけは、志を大きいところへ持とう。百姓いじめや、野盗のまねはやるまい。そして一国一城を持ったら、お互いに栄えよう。……そう誓ってあるな」
「あ、あります」
「それを破ったのは、誰だ」
「…………」
「天蔵! おのれは、そのためにおれが養わせておく武力を悪用して、夜盗を働いたな。