Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans

Aozora Bunko

孤君と老臣

彼として、めずらしい例といわねばならない。

十年一日の如くというが、彼の奉公は、織田家二代にわたって、四十年一日の如くであった。

先代織田信秀から、その臨終に六尺の遺孤信長を、

(頼むぞ)

と、託されてから後は、信長の守役として、一国の藩老として、なおさら、彼は老骨に鞭打って仕えて来た。

その日。――もう夕方。

彼は、独り鏡を眺めていた。

「…………」

自分の髪の真っ白になっていることに、今さらのように、彼は愕きの眼をもって、鏡の中の自分を見ていた。

白くもなる筈。もう齢も六十いくつかであった。

が、その年すら、数えて閑を思う暇もなく来たのである。年を思い、髪の白さに気づいたのも、門を閉じた二十日あまりを、幽居の身となったお蔭であった。

鏡筥の蓋をして、

「勘解由、勘解由」

ふすま越しに呼ぶ。

小侍に、燭台を持たせ、次に、用人の雨宮勘解由が、そっと小暗い端に畏まった。

「勘解由、使いは出たか」

「はい、もう先刻に、遣わしてござります」

「では、見えような」

「程なく、お揃いで、お出で遊ばすことと存じますが」

「酒のしたくも」

「お珍しゅう、お揃いで」

「うむ。鬱はらしじゃよ」