Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
が、彼には、そう単純になれないのだ。その野武士の家の台所で、冷飯を喰べても、自分の身は、珠とも思っているのである。これから世に出す身を、そうぞんざいに分別はできなかった。
「――で、七内様は、何しに来てるんですか」
「指図役だ。何しろ三、四十人もちりぢりばらばら入り込んでいるから、誰か締めくくりをつける者がいなくてはならないからな」
「なるほど」
「もう、あらまし分ったろう」
「分りました。――だが、もう一つ分らないのは、てまえ自身ですが」
「ム。お前か」
「わたしは一体、何をする役目なんでしょ。七内様からは、流言を放てとも、何を探れとも、吩咐かっておりませんが」
「多分、汝は、迅こくて小粒だから、大風の晩に、火でも放ける役の方に置いてあるのだろう」
「ははあ。火放けですか」
「何しろ、そういう密命をもって、この城下へ来ているわけだから、寸分も油断はならぬ。弓の直し屋をして歩くにも、針売りをして歩くにも、よくよく気をつけて、言葉の端にも、気どられぬことだぞ」
「知れたらすぐ捕まりますか」
「あたりまえだ。道三様の方では知っていることだが、もし義龍の方の侍にでも、嗅ぎつけられたら、すぐ血祭だ。