Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
「…………」
「もし、御縁があって、次にまた何処かで、お目にかかる時があったら、あなたの眼が行き過ぎで、手前の云い分が、嘘でないことが証拠だてられましょう。――では手前は、約束どおり、これから蜂須賀七内様へ、お言伝だけ致しまして、そのまま、当地を退散いたしますから、あなたさまにも、ご機嫌よう。ずいぶんお大事に、ご勉強なされませ」
生来、口の達者な日吉が、思い切ってそう述べ立てている間、十兵衛は遂に、一言も吐かなかった。
――気がついて、
「針売り、待てッ」
と呼んだ時は、日吉の姿はもう、木の葉の暴風を衝いて、真っ暗な木立の奥へ走っていたため、十兵衛の声も届かなかった。
駈け抜けて行くと木立に囲まれた少しの平地がある。風も、ここは池のように、強くは当らなかった。
――見ると。
牧の野馬のように、寝そべったり坐ったり、漫然と立ったりしている、一団の人影が黒々とあった。
「誰だッ?」
立って、四方を睨めまわしていた一人がいった。――日吉の跫音へである。
「おらだ」
「日吉か」
「うむ……」
「どじめ。寝呆けたような返辞をして何処をまごついていたのだ。汝一名が見えぬため、皆で心配していたところじゃねえか」