Classiques japonais avec furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
茶わん屋捨次郎はそういって、にやにや日吉の顔をながめた。友だちの於福の名を聞いたので、日吉はよけいその人を、何だろうと考えた。
「ところが、この日吉どのだけは、いつも於福を庇うて下さるそうな。その日吉どのが、寺を追放されたと聞き、於福までがわしへ詫びをいいますので、実は今、光明寺へ行って、どうぞ宥してあげてくれと頼んだところ、先で申すには、香炉の罪ばかりではない、云々のこともある、いやこれこれの事情もあると、受けつけそうもござらぬので、引き退って来たところですわい。……はははは」
と、捨次郎は、胸をそらして笑い、そしてまた、こう附け加えて云った。
「親御のお考えもおざろうが、もしまた、奉公に出す場合、宅みたいな所でもよい思し召しなら、いつでも世話して進ぜまする。どうして、なかなかこのお子は、見どころがありますよ」
また、初めのような丁寧なあいさつを交わして、その人は別れ去ったが、日吉は、おえつの袂につかまりながら、幾度も振り返った。
「おばさん。今のは誰」
「茶わん屋捨次郎といって、諸国の陶器を捌いている問屋さんです」
「ア。それで茶わん屋っていうのか」