Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Lisez 新書太閤記 (しんしょたいこうき) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 180 256 caractères · 361 écrans
それは、この近郷の御厨の渡辺某であると名のって、御寮人の茶席へも通り、主人の捨次郎のはなしも始終、熱心に聴いて帰った郷士の客にちがいない。
客はひとり残らず帰ったはずなのに、今頃まで、どうして、どこに残っていたものだろう。しかも今見れば、身拵えも宵とはちがって、草鞋をはき、袴の裾を巻き括り、大太刀を横ざまに帯びて、角鷹のような険しい眼をあたりへ払っている様子――見るからに殺伐な血のにおいをすぐ思わせる扮装なのだ。
「待て、待て。――今、かんぬきを外すから、静かにしろ」
云いながら、その奇怪な人間は、門の内側へ寄って、そこを開けにかかったが、その間も、外にひしめいている大勢の囁きや手が、門をがたがた揺がしていた。
土匪の襲来?
そうだ。野武士の頭が、いなごの群れのような数多の手下を闇から呼んで、掠めにやって来たのだ。
日吉は、物蔭で、
(泥棒!)
と感じると、とたんに自分の血しおの沸りで、自分が分らなくなっていた。
だが、その忘失も、その恐怖も、自分の仕えている主家の大事――という観念の以外に――である。いや、それだけが、彼の頭を占めてしまったので、他の考えも危険もまったくなくなっていたという方が正しい。