Classiques japonais avec furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
この人は、平面とか立体とかの次元を比較するのに、前のカントルのように一対一の手を繋ぐ対応を考えるのを中止して、先ず平面と立体とが連続したものとして、つまり、陸と海とが口をつけた港港を行くように、そこの口をつけた連続ということを中心に、考えを発展させたのですね。そうすると、一枚の紙を無限に連続させて切るためには、どんな切り方をすれば良いかということが、一番の難しい、また新しい問題になって来たのですよ。要するにその切り方の形が幣帛と同じになって来ているところが、今仰言たようなことになっているんじゃないかと、こうまア私は思われますがね。しかし一寸不思議だな。数学者たちは宇宙の姿をメビウスの帯と称して、紙の形で描いておりますが、なるほどそのメビウスの帯は、幣帛に似ていますよ。わたしもなおよく研究してみますが、しかし――不思議な国だなア日本というのは。エジプトからかな。その御幣は。」
頭を椅子につけ天井を見詰めてそう云う久木男爵は、もうこのときから一同とはまったく別の世界に入っているらしく、笑顔も消えた孤独な眼だけぱちぱち瞬いていた。
「しかし、そういうことになると、世界の人間どもに港から港へ旅をさす幸福を与えてやるのは、いよいよ御幣らしくもなって来たね。