Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Lisez 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 187 caractères · 24 écrans
た糸束を持ってゆくと、いつも係になっている白髪のきつい眼をした老人が、めがね越しにこちらを見ながら糸の出来を褒めて呉れた。
「僅かなあいだにたいそう上手になられたな、こなたの糸は問屋でも評判になっているそうだ、ひとつには孝行の徳かも知れぬが」
少しでもよい仕事をしようとつとめている者にとって、その仕事を褒められるほど嬉しいことはない、殊にそれがあたりまえの内職ではなく、藩にとってたいせつな産物になるのだから、その意味でもお高のよろこびは大きかった。……もっともっとよい糸を繰ろう、そう思いながら帰る途中で鰍が買えた。卒中をわずらってからいちどやめたが、医者のすすめで三日にいちど五勺ずつ飲むようになった父の酒には、なにより好物の肴だった。会所でうけとって来た手間賃のなかから、焼干しにしてもよいからと思って少したくさん買ったのである、貧しくつましい暮しをしている者には、小さなよろこびがどんなにも幸福に感じられるのだ、お高はおかしいくらい足も軽く、組長屋の住居に帰った。
「ただ今もどりました」
とっつきの二帖で、素読をさらっていた弟にそうこえをかけてあがったが、松之助は顔を隠すようにしてなんとも答えなかった。