Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Lisez 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 158 045 caractères · 322 écrans
夏の朝、水をたっぷりつかって、ざぶざぶと浴衣をあらう気軽さ。十月、秋晴れの日に張りものをする、のんびりした心持は、若さと、健康に恵まれた女ばかりが知る、軽い愉快さである。親しいもののために手軽くつくる炊事の楽しさと共に、男や、貴人の知らない心地であろう。
私はときものの興味を、今でも多分にもっている。背筋の上から、ずっと下の針止めに鋏を入れておいて、ツーと一筋に糸をぬくのがすきだ。それは空想好きの私のよろこんで引きうけた、娘時代の仕事のひとつであった習慣からでもあろう。ときものの糸と共に、つきない空想を、とりとめもなく手ぐりだし楽しんでいたのである。だが、その習慣がまた、ずっと昔の、あんぽんたん時代の家庭行事の一つに、夜ごと養われていたのでもある。
奥蔵前の、大長火鉢をかこみ、お夜食のすんだ行燈の許の集りは、八十八で死ぬ日まで祖母が中心だった。ある年は、行燈の影絵を写してよろこんだ私だった。ある年は、小切れをもらってお手玉をつくる小豆を、お盆の上で選っていた。ある年はお手習いしていた。またある年は、燈心を丸めて、紙で包んだ鞠を、色糸で麻の葉や三升にかがっていた。