Classiques japonais avec furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Lisez 早稲田大学 (わせだだいがく) de 尾崎 士郎 (おざきしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 204 caractères · 220 écrans
西方は木かげになった幹によりそいながら青木のわたした新聞をひろげてみた。ロシヤに革命が起って、あたらしく、ケレンスキー内閣の成立したことを仰々しい見出しで書きたてている。上段には、ほそおもての、角刈りみたいな頭をしたケレンスキーの顔が、輝くばかりの精彩にみちてうかんでいた。まだ三十を過ぎて間もないらしい。この青年革命家の風貌には見るからに貴公子というべき純粋なかんじがある。それは闘志を忍ばせた美しい眼が、どことなく弱々しい表情とぴったり調和して、智的な、逞しさが西方の胸に犇々と迫るようである。
「今夜、堺の家で新人会の連中と顔合せの会をやることになっているんだ、――それで、さっきから大弓場で待っていたんだが、今夜はきっとおもしろいぞ」。
「そうかい」。
西方は、うなずきながら青木の顔を見あげた。眼鏡をかけた青木は、若いくせに、脳天までつるつるに禿げた頭ににじむ汗を絶えず手拭でふいていた。
「ところが、こっちにも大事件が起ったんだ、さっき、そこで東山君に会って聴いたんだが」。
手短かに天野学長排斥の陰謀について話したが、青木は一向気乗りがしないらしく、
「そいつは君、――どっちがどうとも言えないね、僕はむしろ人間的には高田の方が好きだよ」