Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みいらのみみかざり
木乃伊の耳飾
国枝 史郎
Lisez 木乃伊の耳飾 (みいらのみみかざり) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 905 caractères · 12 écrans
二
博士は驚いて刎ね起きた。そして寝台に坐ったまま、室の中を一巡見廻わした。蒼白い沙漠の満月が、窓から室の中へ射し込んでいるので、室の中は朝のように薄明い。どう見廻わしても室の中に木乃伊の置いてある様子も無い。
「どこから匂は来るのだろう?」博士は口の中で呟いて、寝台の上で腕を組んだ。すると其時、窓掛の蔭から、悲しそうな嘆息が聞えて来た。何者か其処に居るらしい。博士は寝台から飛び下りた。そして窓の方へ突き進み、窓掛を颯と開いたが、其処には銀のような月光が床に零れているばかり、生けるものの姿さえ見られなかった。とは云え、何処から紛れ込んだものか、一葉の紙が床の上に、月光を吸い乍ら落ちていた。紙とは云ってもその紙は、埃及古代の人々が、水生植物から製したという、パピラスという紙であった。紙には文字が記してある。即、埃及の象形文字が。
博士は文字を読んで見た。たった一行のその文字には、次のような意味が含まれていた。
「君に願う、来たり給え、地下室へ」
二
翌日博士は旅装を備え、発掘用の道具などは、雇った土人に担がせて、町の外れから駱駝に乗り、クウフ王の金字塔へ、希望に満たされて乗り込んで行った。