Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しいのき
椎の木
豊島 与志雄
Lisez 椎の木 (しいのき) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 870 caractères · 52 écrans
そしていいかげんに帰ろうとした。
その時、川村さんは急にまじめな顔をした。
「実は、君に少し頼みがあるんだが……。」
「ええ。何ですか。」
「金が、五千円ばかりいるんだが……どこか、僕に借してくれるようなところを、心当りがあったら、頼んでみてくれないか。担保になるようなものが何にもないので、全く信用だから、少しむずかしいかも知れないが……。」
良一は眼を見張った。
「ほんとですか。さっきの……湖水や山の話みたいに……。」
「いや、これはまじめな話だ。五千円ぜひいるんだ。もし出来なければ、出来ないだけの覚悟をしなければならない。」
良一は考えこんだ。
「急ぎなんですか。」
「一日も早い方がいいが、いつと期限はきまってはいない。」
「そうですね、五千円なんて、僕から話せるようなところはありませんが……考えて見ましょう。」
「ああ、頼むよ。五千円出来たら、ほんとに助かる。」
とにかく奔走してみると約束して、良一は辞し去った。玄関で、黒襟の女のひとが、馴れた手付でマントを着せてくれた。
二
良一は狐にでもつままれたような気持だった。元来掴みどころのない川村さんのことではあるが、九度五分の熱、黒襟の女、人をばかにした話、それから五千円……。