Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

Lisez 樅ノ木は残った (もみノきはのこった) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 112 073 caractères · 223 écrans

Aozora Bunko

「私は世間の評に責任をもつわけにはいかない」

「中黒達弥は船岡にいるか」

「出奔した」と甲斐が云った。

周防の顔がひき緊り、甲斐を見る眼がするどく光った、周防は「いつのことだ」と訊いた。七月、正式に律と離別した直後だ、と甲斐が答えた。

「では麹屋の友次郎は」と周防が訊いた。

「仙台にいるということだ」と甲斐が答えた。

もういちど云うが、この話しはやめにしよう。それよりも重要なことがある筈だ、と甲斐は云った。しかし不義があったかなかったかだけは聞いておきたい、と周防はねばった。家風に合わぬという理由のほかに、なにも云うことはない、この話しはもう断わる、と甲斐ははねつけた。

周防はまだ不満そうに、甲斐の横顔をにらんでいた。甲斐は立って納戸へゆき、また土間へおりて、水を入れた半と、砥石と台とを揃え、やがて剃刀を研ぎはじめた。

「松山と会って話すのも、たぶんこれが最後になるだろう」と甲斐は云った、「律の離別で、一ノ関の思案も変ったようだ、はっきり変ったとは云えないが、国老になれとすすめて来る手紙の内容が、まえとはかなり違っている」

「断わっているようだな」

「国老はまだ早い」