Classiques japonais avec furigana
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むさしたびにっき
武蔵旅日記
山中 貞雄
Lisez 武蔵旅日記 (むさしたびにっき) de 山中 貞雄 (やまなかさだお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 659 caractères · 27 écrans
させてやる」
老臣も呆れ果てた。
殿様が嬉しそうに、
T「女の仇討は
珍しいぞ」
老臣がイヤイヤ、
T「御免蒙ります」
断わられて、お殿様、悲観した。
つくづく独り言、「あーあ
T「仇討が
見たいなァ」
と仰しゃった。(F・O)
S=橋の上――夜
お殿様と老臣と家臣が五名程川端を歩いて居る。御忍びである。
お殿様は橋の袂に、何かを見て、お止まりなされた。
其処に寝て居る乞食。
お殿様、ジッと其の乞食を見て居られたが、
「そうに違い無い」と独り言。ツカツカと乞食の傍へ寄り「これこれ」と肩を叩く。
乞食、ムニャムニャ言い乍ら、起き上る。
ふと見れば、立派な数名、自分を取り囲んで居る。吃驚して「どうぞ命ばかりは」
殿様が乞食に、
T「隠すな、隠すな」
と言われて、乞食、何の事だか訳が分らん。
殿様が、
T「其の方、真は
武士であろう?」
乞食はポカンとして居るが、
殿様は独り悦に入って、
T「敵討であろう
喃?」
エッ? と乞食は分らないが、
殿様の独り合点は尚続く。
T「非人に迄、身を落し
さだめて辛いであろう」
とハラハラと落涙して、
T「其の方の至孝
天に通ぜぬ