Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みとばいふ

水戸梅譜

山本 周五郎

Lisez 水戸梅譜 (みとばいふ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 607 caractères · 25 écrans

Aozora Bunko

二

「庭うちでどうなさる」

五郎兵衛という浪人は、会釈をして脇玄関へ出ていった。なんだと眉をひそめながら、主税が残されたかね包を持って奥へはいろうとしたとき、門番たちのけたたましいさけび声が聞えてきた。主税のあたまに或る出来事が直覚された、かれは声のするほうへとびだして行った。裏門の脇のところで、五百旗五郎兵衛となのる浪人ものが、作法ただしくむこう向きに俯伏していた。主税はがんと頭を衝かれたように思い、惘然とそこに立ち竦んだ。

二

「なに腹を切った」

光圀はいぶかしそうにふりかえった。そして主税の蒼くひきつったような顔をみると、つまんでいた碁石をはたと取り落した。

「御当家のほかに奉公すべきおいえはない、と申しました、御当家に仕官の儀がかないませんければ、もはや此の世にのぞみはないと申しました、まことにその一事を思いつめてまいったものと存ぜられます」

「それほどつきつめた覚悟がそのほうには見えなかったのか」

「まことに面目なきことでございました」主税は心から慚じて眼を伏せた、「なりかたちがあまりにむさくるしく、貧に窮しておるものと心得ましたし、子供のことを云いたてるようすが、まさしく合力を乞うもののように考えられましたので」