Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ほうそうやわ
法窓夜話
穂積 陳重
Lisez 法窓夜話 (ほうそうやわ) de 穂積 陳重 (ほづみのぶしげ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 136 325 caractères · 264 écrans
しかのみならず、その櫃は長さ僅に三尺五寸ばかりで、辛うじて身を容れるに過ぎないものである。故にローフェスタイン城からゴルクム町に達するまで、グローチゥスは窮屈なる位置姿勢で忍ばねばならず、もしまた運送の人夫が倒様に櫃を置いたり、あるいは投げ出しでもしたなら、それこそ大変、生命の危険にも立ち及ぶ虞れがある。なおまた櫃の蓋を密閉するときは、窒息の禍を招かぬとも限らないのであった。
かような仕儀であるから、マリア夫人は種々苦心熟慮の末、かつて雇傭してその心を知り抜いている忠僕と忠婢に、予め密計を語って、城外にてその櫃を受け取り、直ちにこれをゴルクム町の友人の家に護送する事を依頼した。またその櫃には小さい孔を穿けて、空気の流通を自由にし、しばしばグローチゥスをこれに入れて試験を行い、それからひたすら、好機会の到来を侍っておった。
偶ま典獄なる司令官が公務のために他所へ旅行した事が分った。これこそ天の与えた好機会と、その不在中にマリア夫人は、夫グローチゥスが伝染病に罹ったと称して、監守兵らが両人の監房に出入するのを遠ざけ、且つ司令官の妻を訪問して、自分の夫は近頃病気に罹ったために、読書著述が出来なくなったから、一先ず書籍をゴルクム町へ送り返すことを乞うという趣を語って、その承諾を得、直ちに獄舎に帰り、予定通りに例