Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんやのきゃく

深夜の客

大倉 燁子

Lisez 深夜の客 (しんやのきゃく) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 926 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

「怪しからんじゃないか。お客がやったのかね?」

「それを調べておるんですが、――どうも、分らないで困っているんです」

「弄戯っておいて、逃げたんじゃないか?」

「否え、そんな事はありません。お客さんはお一人もお降りになりませんから。――ちゃんとこの通り一々行先を記してあります。いらっしゃらなくなれば直ぐ分りますが、お一人も欠けていないんですから――」

洋子の見た二つの影、それは何であったのだろう? 乗客の人数に変りがないとしたら、――あるいは夢だったのかも知れない、が、自分にはどうしても夢だとは思われなかった。しかし、何事もなかったと云っているところへ、余計な話を持ち出して、騒ぎを大きくしてはならないと考えたので、彼女は黙っていた。

すると今度は背中合せに腰掛けている若夫人が、役人風の夫にささやいているのが聞えた。

「停車場でもないところへ汽車が停るのは、何だか無気味なもんですわねえ。一体、誰が非常ベルを押したんでしょう?」

「うっかりと間違えたんじゃないか。――何しろ、あの有名な義賊尾越千造が脱獄したというので、その筋じゃすっかり神経を尖らしてるからな。